竣 工:unbuild
所在地:宮崎県延岡市
主用途:事務所
延 床:300㎡
構 造:RC造+木造
延岡某企業 本社建替え計画【新築案】

密集した住宅地に「光」と「風」を通す
“緑の谷”をつくる
土地のふるまいに応える“かたち”を探す
敷地に対して定石通りに建物ボリュームを建てる(前面道路に対し大きく間口を取る)ことを疑った。
その敷地の声に耳を良く澄ましてみると、光が差し、川から涼しい風が抜ける住宅地の“すき間”があることに気づく。その自然に抗わず、建物自身で光や川風を遮らないよう、建物を分節し、密集する住宅地に「緑の谷」を通すような建物配置を考えた。
年間の日照時間解析や通風シミュレーションも行いながら、この土地のふるまいに応える“かたち”を模索した。
壁で囲まれた敷地に“窓先の風景”をつくる
4周を住宅の壁に囲まれた敷地。
「緑の谷」は、密集した住宅地に“窓先の風景”をつくる。窓を開ければ、涼しい川風とやさしい光と共に、緑の匂いが入ってくる。そんな、人間の五感で感じることが出来る、窓先の日常風景を作り出す。
「光」を導き「風」を通す
集合住宅への転用を見据えた 3.6m×3.6mグリッドシステム
縦へ横へ連続する、大きな開口をもった3.6m×3.6mのグリッド。
このグリッドは、奥行きのある2階オフィス、光の届きにくい1階へ光を導く“縦の抜け”をつくり、気配をつなげ、風を通す“横の抜け”もつくる。
屋根のハイサイドライトを開ければ、建物全体で自然換気 (重力換気)による空気の流れを生み出す。
オフィスとしては少し小さい3.6mグリッドの連続する構造は、将来的な集合住宅への転用を見据えたスケール。
人間の身体的な尺度を持つオフィスは、人にとって居心地よく落ち着いた空間構成となる。